輝く季節(とき)の中で(1995)


先日『あすなろ白書』を全話見ました。で、感想でも書こうかと思ったんだけど先にちょっと前に見た『輝く季節の中で』の感想を書いておこうと思います。


『輝く季節(とき)の中で』(CX、1995年4月20日〜6月29日、木曜10時)
あらすじ
とある医大で、それぞれ性格の違う6年生5人がポリクリで同じグループとなる。厳格と評判の教授の指導のもと、恋愛や友情、敏腕といわれた教授が臨床の一線を退いた謎、医師国家試験受験時のアクシデントなどが、5人を中心に繰り広げられる。『あすなろ白書』のポリクリ版と呼ばれていた。


キャスト
藤谷果菜子:石田ひかり
澤田俊介:保阪尚輝
樋口慎一:中居正広
星野明美篠原涼子
水橋久美子:井森美幸
速水衣子:遠山景織子
北川幸子:稲森いずみ
林田純一:渡辺いっけい
高槻功:長塚京三


スタッフ
脚本:岡田惠和
プロデュース:亀山千広、杉尾敦弘
演出:木村達昭、新城毅彦、臼井裕詞
音楽:S.E.N.S.BMG JAPAN
主題歌 「君がいたから」FIELD OF VIEWZAIN RECORDS
作詞:坂井泉水 作曲:織田哲郎 編曲:葉山たけし
挿入歌 「君がいたから」ZARDB-Gram RECORDS
平均視聴率15.4%(一部不明あり)



さんきゅうWiki
で、何であすなろの前にこれなのかってゆーと、あすなろよりもこっちのが好きだからです。「ポリクリ版あすなろ」とか書いてあるけども。


まず脚本。岡田惠和さんです。最近だとNHK朝ドラ『おひさま』でヒットしました。好きな脚本家です。
個人的には『君の手がささやいてる』『夢のカリフォルニア』『ホームドラマ!』が好きです。人間の痛いところを結構突いてくるんだけど、すごく優しいんだよね。全てを否定しない。そんな感じ。
なんか音無可憐さんとかやってるあたりも私たち世代からしたら身近な感じですね。
若者のヒューマンドラマを描く作家さん、みたいな?


で、内容はそのまま、医学生たちの青春群像ドラマです。
いろんな困難に立ち向かいながら、夢を叶えるために頑張る若者たち。
友情や恋愛も生まれながらそれぞれの道を歩いていくところで終わる……美しい。
でも結構辛いところも多くて。


私目線で書かせていただきますが、やっぱり中居くん演じる樋口は象徴的なキャラクターだなあと思います。
地元じゃ負け知らずだったけど医大の中では落ちこぼれ、果菜子に想いを寄せるも澤田には男としても医学生としても勝てない。
幸子と付き合うようになって勉強も頑張るけど時間が足りなくなり、薬に手を出してしまう。仲間が助けてくれるが退学し、教師を目指す。
ちゃんとハッピーエンドになるんだけど、樋口の苦悩っぷりは切ない。そしてリアルです。お調子者だけど繊細なキャラクターは中居くんにピッタリでした。ドラマの中でもいちばんいい役だと思う。
どん底まで堕ちてしまう樋口にとって救いなのは仲間や教授の高槻、恋人の幸子の存在です。
初めは反発し合っていた澤田は、薬に手を出してしまったときに真っ先にかばってくれる。
正反対なのに徐々に仲良くなっていった明美は樋口との交流の中でお互いに救い合っていた。
教授も冷たいようで樋口の心の優しさを理解してくれていて、教師になることを喜んでいたようだし、幸子とも最後は元サヤに納まるし。
樋口は医者になる夢を諦めてしまったけど、久美子の旦那さん(教師)や教授を見て教師を目指すわけで、そのあたりも無理がなくて、むしろ自然な感じがしていいですね。
今回は若者らしい若者の役で、この後の出演作品を見ても中居くんは恵まれてるんだよね、役に。
アイドルっぽいキャスティングという意味ではこの作品は素晴らしいと思います。


明美も好きなキャラクターだった。
頭もよくて美人、でも何かが足りてない。
医者を目指したのも頭が良かったからで、夢ではなかった。
けど久美子の出産を通して産婦人科医になる夢ができる。そこまでの久美子とのエピソードも良い。
久美子は元看護士、今は主婦の医大生でいろんな苦労をして頑張っていて、そんな姿から明美も変わっていく。
樋口みたいな人間味溢れる友人との交流も明美を変えていく。
篠原もいい役もらってるよねえ。蓮っ葉な美人が人間らしく成長していく様が良かった。



人が他人と関わって、衝突したり分かり合ったりしながら成長していく。
これが青春群像劇の面白いところです。
てゆうかドラマの大前提だよね。
岡田惠和脚本はそれが無理なく、ちょっとづつ、うまいこと描けていて、見ていても最後はホッとします。
きちんと答えを出してくれる感じ。
そして不幸な人間がいない。この人たちは前を向いて生きてくんだろうな、と思える。
未来が明るい。
だから安心して見ていられました。


あれ、石田ひかりのこと全く触れてない。主役なのに!!ぶっちゃけ主人公の恋愛どうでもよかった!
次は『若者のすべて』を見ます。またも岡田惠和脚本!その前に『あすなろ白書』の感想も上げようと思うの。



しかしこのころのドラマって今見ると超豪華キャストだよね。すばらしい。



ちなみに、このドラマはリアタイでほとんど見てないんだけど、挿入歌の方の「君がいたから」(ZARD)が好きで、その繋がりで気になっていました。
歌詞がすごく良くて青春って感じ。それについても熱く語りたいよね。