第1回・理想の王子様ソング〜胸さわぎを頼むよ


そういえばSMAPの曲についてうだうだ書いたりしようと思ってたのに忘れてましたね。
ということでやります。


今回の曲「胸さわぎを頼むよ」。1996年2月リリース、20枚目のシングル。オリコン最高位2位、売上49.9万枚。

胸さわぎを頼むよ

胸さわぎを頼むよ



SMAPのこの頃のシングルの中ではあまり目立った作品ではないと思います。最高位が2位であったり前作「俺たちに明日はある」がヒットして78万枚超売れていることから考えてもSMAPの中では有名でないシングル曲になっているようです。


でも私はすごく印象に残っているのです。それは、木村拓哉出演のテスティモのCM曲だったから。口紅のCMだったんですね。そいでそれを自分に塗ったり女の人に塗ったりすんの。スーパーリップで攻めてこい。エロ!!だからか歌詞に「♪唇でそっけないフリして」ってゆうのがあるみたいなんだけど。


この曲はSMAPの王子様ソングです。流れ的には「君は君だよ」、「しようよ」の延長線上の曲なのかなーと思っています。
わかりやすいのは、前作「俺たちに明日はある」では「♪バラの花束が似合うのもいるのさ/だけど似合わない」と歌っているのに対し、今作では「♪買い物にも付き合うし 花も贈ろう」と歌っている点。1曲ずつ違う主人公がいるのがSMAPの曲の特徴でもあります。曲は歌い手の気持ちを歌っているだけではなく、ただひとつの曲として独立している。アルバム「Drink!Smap!」が顕著で、「世界に一つだけの花」では「♪No.1にならなくてもいい」と歌っているのに対し、「FIVE RESPECT」では「♪We are No.1!」と歌っている。SMAPは歌を伝える存在である、と木村拓哉が言っていたが、まさしくそのとおり。いろんな面を持ち、いろんなメッセージを伝える存在がSMAPなのです。
この頃のSMAPはほぼ木村拓哉でした。もちろん他のメンバーも人気でしたが、木村拓哉がホントにもうすごかった。SMAP木村拓哉。「俺たちに明日はある」は木村拓哉のドラマ主題歌で、ドラマ同様アウトローな魅力を炸裂させたものでした。衣装も赤(エンジっぽい)のスーツで男らしい雰囲気、曲調もファンキー、ノリがよくて骨太。それを今作では女性に優しい王子様。衣装は薄紫のスーツで、胸に花のコサージュ。メロウ(っていうのかな?アンニュイみたいな)な曲調。その時々でいろいろな魅力を見せていくことが、人気だったとはいえまだ若手だったSMAPに必要なことだったのです。簡単に言えばギャップね。
「胸さわぎを頼むよ」は徹底的に女性に向けた曲。ちょっとワガママですぐ拗ねる頑固な彼女。そんな彼女に振り回されながらも愛おしく思っている男の人。対象が20代前半のOLピンポイントだろ!と言いたくなりますが、まあそうですよね、SMAPも若かったし。簡潔に言えば「どんな私でも愛してくれるのね!」ってことだよね。まあ私もそう思ってたね、まだ小学生だったけど。


好きな歌詞をば。

Why 泣いたすぐあとに
はしゃぐから
マジなせりふ 宙に浮いて
コメディの主役さ
なんかかなわない 
じたばたしてる 不器用


小学生のころのノートに「ここがすき」と書いてました。なんでですかね。わかってたんですかね。


曲の説明をします。当時のSMAPは何がすごいって演奏です。と言っても私は演奏者とかに詳しくないのでよく分らないのですが、音がすごくカッコいい。オケとか言うのかな?「胸さわぎを頼むよ」はシングルよりアルバムバージョンがカッコいいんです実は。008とかWOOLとか。音が少なくて。トランペットとかの金管楽器の音とドラムの音が好き。でも何がカッコいいのか私は解説できない、すまん。


歌については深く追及しないことにします(察して)。「どんちゅのー」ってゆうコーラスがものすごくすきです。「はあどんちゅのおーう」ってゆう拓哉の歌い方も。


SMAPの歌う歌は多種多様なのですが、もうこの頃からどう売り出していくか計算されていたような。意図的に爆発的に売れないような曲を絶頂期に捻じ込んでくる。ばんばんヒット曲を出しつつ、いろいろやってる。その計算されっぷりもまたおもしろい。そんな曲。



追記。
振付も好きでした。サビでなぜかじゃがみこむところも。