青春の刹那〜川本真琴『川本真琴』


夏になると聴きたくなるアルバムその2
川本真琴川本真琴』。
川本真琴のファーストアルバムです。
1997年6月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数は正確にわからないけどミリオン。

川本真琴

川本真琴


私と川本真琴
えっと、よくあるパターンだけど「るろ剣」です。私小学校高学年から中学にかけてるろ剣ヲタだったんですね、周りからは「るろ剣マニア」とか呼ばれてました。ただコミックス集めてアニメ見て技とか年表とかセリフとか暗記しまくっているだけで、アニオタにはならなかったのですが。剣心って少女漫画みたいだったから好きだったんです、それ以来少年漫画はほとんど読んでないし。最近は昭和の少女漫画ばっか読んだりしてるぐらいで。



というわけで剣心から「1/2」を知って、「DNA」も聴いたことがあったから『川本真琴』を買ったのは必然でした。正確には買ったのは姉ですが。
当時は売れてる曲は何でも知ってないといけないお年頃だったので何でも聴いていましたが、川本真琴には本当に驚いた。
まず声が不思議。ロリっぽいけど強いしなんか甘いけど棘があるってゆーか……。
そしてエロくない?!って。
純情な私でしたね。ええ。いや、今聴いてもエロいんだけど、ちょっと退廃的というか、世紀末って感じで暗いというか。
厨二っぽいんだよね。そいでぶあーーーって早口で捲し立てるように歌う。でも言葉が流れていかない。引っかかりまくって傷跡だらけ、みたいな。心がかさぶただらけ、みたいな。


後になって分かったんだけど、歌詞がループしてるのね。(似てる歌詞が多いなあとは思ってたけど)
「しみだらけの地図」みたいな歌詞カードで字体が違うところがあって気になって読んでいたら気が付きました。
簡単にまとめると


「地下鉄の階段いっことばし」(10分前)→「地下鉄の階段…DOWN DOWN DOWN」「明日の1限までには」(愛の才能)→「MAMAが1限をサボって聴いてた」「しみだらけの地図」(STONE)→「コーラをこぼしたあの夏の地図」「眩暈の裸(からだ)が痛い」(DNA)→「眩しくて憂欝な身体」「街も人も渋滞のライトも」(EDGE)→「渋滞の八号線」「ひとりぼっちでいなくちゃダメなの?」(タイムマシーン)→「ひとりぼっちで屋上」「Lesson & Lunch」(やきそばパン)→「Love & Luna」(Love & Luna)
「ひまわり」(ひまわり)→「おじぎのひまわり」「神様は何も禁止なんかしてない」(1/2)→「ねえ神様 チュチュチュ」(10分前)


で、私ずっと悩んでたのが、「Love & Luna」と「ひまわり」がつながらないということ。だったんだけど、いろいろ調べたら、「1/2」のc/w「1」で繋がるとのこと。


「昼間の明かり抜け出したら」(Love & Luna)→「そっと抜け出してる」「太陽から逃げていたいさ」(1)→「いつも太陽の方に伸びていくのが」(ひまわり)


ということ。
よくできてるよなあ。



川本真琴の歌詞は子供と大人の境目でゆらゆらしてる。
高校生だったり、もうちょっと大人だったり、もうちょっと子供だったり、そこでゆらゆーらしてる。
子供だから許されること、大人だからできること、昔を振り返ったり、背伸びしてみたり、でもそんなもの実は「神様は何も禁止なんかしてない」。
愛することやそれに付随することって、子供だから、大人だから、ってことで区別されるべきじゃない。
何かが満ち足りない。何かが足りない。だから「あたしたちってどうしてうまれたの 半分だよね」「身体なら1ッコでいいのに」と、満ち足りたくてしょうがない。
そんな10代後半から20代前半、てか大学生ぐらいかな、を思い出します。
だからまあ小学生ぐらいで聴いてエロいなって思ったのは、そうゆう衝動的で刹那的な欲求みたいなものがすごい感じられたからだろう。と思う。
子供と大人の狭間で想うことなのです。

川本真琴』は好きな曲だらけで書ききれないので、今度またダラダラ書こうかな。


あ、何で夏になると聴きたくなるか。
世紀末なアルバムからかな。「ノストラダムスが予言したとおり」、この世はなくなるんじゃないかって思ってた。
世紀末と夏は似てる。
もわっとしてて、夜でも暑くて、ながーい夏。
「いつまでも終わらないような夏休みみたいな夕立だね」、でも君との時間は永遠じゃないって気付く。
いつまでも終わらないものなんてない。
いつの間にか終わってる。
そしていつの間にか私はここに来てしまった。
だからこそ振り返る時に聴きたくなる、そんな1枚なのです。