中森明菜シングル曲


中森明菜特集その1。
80年代シングル曲をばばっと。
この私の特集みたいななんか戯言ってゆうかうだうだ書いてるのはレビューというのだろうか。果たして。
「スローモーション」から「LIAR」までの23作品が80年代に発売されているので、今回は半分の12作まで。
売上枚数等なんですが、カセットがあったり再販があったりで確かなデータが見つからず。一般的に出されているデータでいかせていただきます。



1.「スローモーション」 1982年5月発売、オリコン最高位30位、売上枚数17.4万枚。
花の82年組
の中で、埋もれていたわけではないと思うのですが、そこまで注目されていたわけではなかったようです。アイドルの数がすごいもんね。
なんかもう「これぞアイドル!」というイメージでデビューしたんだなーという。
ただ来生コンビの曲がすごくいいから明菜ちゃんの歌のうまさが引き立ってる気がします。デビュー前のボイトレで「おまえは可愛くないんだから歌唱力でやってくしかない」みたいに言われたらしいんだけど、今見ても超可愛いんだけど……。
ニコニコしながら白いフリフリドレス着て歌っていたのはデビュー曲だけだったという。2ndシングルが売れて、デビュー曲も売れていったようです。
「恋の予感 甘く走った」の「走った」の歌い方がものすごおおおおおく好きです。
幼い夏の恋の歌です。
まさかレコード大賞歌手になるなんてね。人生は不思議だ。


2.「少女A」 1982年7月発売、オリコン最高位5位、売上枚数39.5万枚。
「特別じゃない どこにもいるわ ワ・タ・シ 少女A」
中森明菜=生意気な不良少女、みたいな印象をつけた曲。そしてこの曲でブレイク。本人は不本意だったのかなあ……。
ただ、今後顕著になってくる「パフォーマンスでは徹底的にその曲の主人公を演じる」という中森明菜の始まりでもあったのかな、と思います。
歌っているときは少女Aになりきって、ニコリとも笑わない。挑発的な歌詞に鋭い目線。衣装も赤とか黒が多かったようです。当時は「ツッパリ」と形容されていたみたいです。
しかし明菜ちゃん、幼さの残った声と顔つき、顔も腕も健康的にプニプニしてて、そのギャップがすごく良かったんだろうな。当時私も同世代なら好きになってた思う。
ロリータチックなエロさを感じます。17歳って歌詞に出てくるのも時代を感じるなあ。
快進劇のはじまり。


3.「セカンド・ラブ 」 1982年11月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数76.5万枚。
中森明菜最大のヒット曲。
前作とはうって変わって、しっとりとした切ないバラードです。「少女A」の次にこの曲って、一般人はどう思ったのか気になります。
作詞作曲はデビュー曲と同じく来生コンビ。うまくいかない恋に悩む少女の曲、なんだけど、初恋じゃないってところがミソ。
最初の恋よりもうまくやりたいのにできない、って余計切ない。
「抱き上げて つれてって 時間ごと どこかへ 運んでほしい」
こうしてほしい、って思っても口に出せないもどかしさ。……なんてピュアなんだ!!
「運んでほしい」のところで体の前で手をギュッと掴む振付にわたくしノックダウンです。
やっぱりニコリとも笑わないんだけど、今回はずっと切ない表情を浮かべています。多分オッサン受けがハンパなかっただろう。とか考えてしまってごめんなさい。
髪の毛は落としているかちょっとだけツインテールにしていて女の子らしく。
ゴールドで大きいパフスリープに丈の長い衣装がすきです。


4.「1/2の神話」 1983年2月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数57.3万枚。
ここでまたツッパリソング。何がビックリって作曲が大沢誉志幸なんだよね。
テーマは「少女A」と一緒なんだけど、「今の私は大人と子供の真ん中」という。
見た目よりも純粋な自分、いっそ汚れてしまえばいいのに、でも大人にはなりたくない、誰も私のことなんてわかってくれないの……厨二病かよ。
この曲から振付が激しくなってきました。「少女A」も結構踊るんだけど、こちらは決めポーズがあるもんね!
「いいかげんにしてーーー!」の指差し!!
82年末からポニーテールが増えて、この曲もポニテ率が高く、まだプ二プ二しているのでかわいらしいことこの上ない。


5.「トワイライト -夕暮れ便り-」 1983年6月リリース、オリコン最高位3位、売上枚数42.9万枚。
そしてまたバラード。作詞作曲来生コンビです。
歌詞だけ読むと不倫っぽいんだけどどうなんだろう。まだ17歳よ。
曲自体は悪くないんだけどちょっと地味。でも驚くのはキーが高い!歌番組では半音下げて歌っていたようです。
CD通りではなくちょっと崩したり溜めたりして情感込めて歌っている姿を見ると、後の「難破船」に通ずるものがあるような気がします。
ツッパリソングよりもこうゆうちょっと暗めで鬱々とした曲の方が感情入れやすかったんだなーと思う。
衣装は水色とか黄色の爽やかな色で、スカートがかなり広がっているものが多く、髪型はポニテ
でもポニテで片方だけちょっと落としてるのとかがあって、それがまたかわいい!
衣装や髪型は明菜ちゃんが決めていたようですが、スタイリストも楽しかっただろうなあ。

6.「禁区」 1983年9月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数51.1万枚。
18歳になった明菜ちゃん。音がテクノでびゅんびゅんいってて驚いたんだけど、作曲がYMO細野晴臣でした。なるほど。
女の子ってどんどん大人になるけど、明菜ちゃんのこっからの成長っぷりは見ていて驚きます。てゆうか痩せたよね。顔が。まあ痩せてくる年齢ではある。
これもなんだか不倫っぽい歌なんだけど、後年の曲を聴いてから聴いてみるとまだ声が幼くて、頑張ってドス効かせてる感じがかわいいです。
しかし何といっても衣装!ここから普通のアイドルっぽい衣装じゃなくなります。テクノだからなのか、モードっぽい衣装でセンスの良さがうかがえます。
これはワンピなのかな?ツーピース?上は首周りも含めダボッとしていて、ウエストは絞ってあって下はふわっとしたスカート。それにトレンカ。今でも十分着られる服です。
柄が黒字に黄・ピンク・水色の布が散りばめてあったり、黒白のツートンだったり。そしてポニテ
あと振付が細かくあって、サビの腕ブンブンが実は結構タイミング取りづらいという。
バレエやってたからか、ひとつひとつの動きやポーズがすごいきれいで、今後それが生かされまくります。
この曲で紅白初出場。


7.「北ウイング」 1984年1月リリース、オリコン最高位2位、売上枚数61.4万枚。
84年元日。中森明菜怒涛の1年のはじまり。
北ウイングは、成田空港の第1ターミナルの呼び名だったそうで、タイトルは明菜がつけたそうです。今でも北ウイングに行くとこの曲を思い出す人が多いとか。
作詞作曲は康珍化。歌謡曲!って感じが好きです。
初めて聴いたときからこれはいい曲だ!って思ったんだけど、逆に中森明菜が歌う必要性はあったのか?とも思いました。
だってアイドルが歌う歌じゃねえもん。歌詞も、別れた恋人(多分)を飛行機に乗ってどっか外国(霧の街だからロンドン?)まで追いかけて行っちゃうとゆう。テレサテンを思い出したよ私は。
サビから始まる構成が好きです。歌番組では「不思議な力で」の「で」を思いっきりロングトーンでで歌っていてカッコいい。
メロは落ち着いたトーンなのにサビでどかーーーーんと盛り上がるのもテンション上がるよねー。声もグッと大人らしくなりました。
衣装はパンツルックに帽子が主流だったようです。この曲のメイクがクールで好き。

8.「サザン・ウインド」 1984年4月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数54.3万枚。
明菜ちゃんの夏ソング。シングルで夏の歌って少ないよね。あ、デビュー曲は夏かな。
主人公はバカンスを楽しむOLとかかな。女子大生?とにかく南の島が舞台。出会う男たちみんなに色仕掛けしまくりされまくり、みたいな。
何といっても作曲が玉置浩二。この人ホントいい曲作るよなー。明菜ちゃんには他にも提供してて、私は「アサイラム」が好きです。
夏ソングなのに爽やかじゃない。なんかこうエロいってゆうかなんてゆうか……。卑猥?
にしても明菜ちゃんがかわいく踊りながらニコニコして歌っている印象が強くて。なんかサビの踊りが変なんだけど。
「危険かしらね?」ってうん、危険だよ。
ポニテに水色の丈長めワンピース。踊るたびに揺れてキレイ。腕にがばっと付けたバングルがおしゃれ。


9.「十戒 (1984)」 1984年7月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数61.1万枚。
ツッパリソング集大成。何から何まで衝撃でした。思いっきり背中を反らし、ステップを踏む振付。「愚図ね」という歌詞から始まり、「イライラするわ」という決め台詞。
「1/2の神話」から1年ちょっとで指差しも手の平を上にするというところまできました。(謎)
今で言う草食系男子に「発破かけたげる」と挑発、「坊や」呼び。
衣装は黒のワンピなんだけど、バレーのチュチュみたいに下だけレース素材みたいな。丈は長め。胸元に十字架。髪はロングヘアを落としています。
当時のヤンキーのアイドル的存在だったのも頷けます。だってかわいいのにかっこいい。
しかし歌が超上手くなってんなあ……そしてウエストが細すぎて嫉妬。
この曲で84年の紅白出場。


10. 「飾りじゃないのよ涙は」 1984年11月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数62.4万枚。
陽水きたこれ。かっこいいんだよねえ……。
しかし井上陽水とどんな関係が??と思っていたのですが、つべで82年ごろに井上陽水と「銀座カンカン娘」をデュエットしてる映像を見て納得。通ずるものがあったんでしょう。
「私は泣いたことがない」という歌い出しも衝撃的だよねえ。この主人公、どう見てもヤンキーか暴走族だろ!って思ってたんだけど、明菜ちゃんの「強がってるけど実は寂しがりやなの☆」というみたいな雰囲気が出てていい。そもそも明菜ちゃんの魅力は歌ってるときと普段のギャップだと思うから。ギャップ萌え!!
マイクスタンドを使い、衣装はだぼっとしたジャケットとパンツ、濃い目の化粧。なんだか時代を感じるな……。
もうアイドルじゃないな。と思うの。時代が時代ならアーティストと呼ばれてもいい。そのくらい圧倒されます。


11.「ミ・アモーレ〔Meu amor e・・・〕」 1985年3月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数63.0万枚。
あもーーれーーーーーーーー!!!!(明菜ビブラート)
ここが中森明菜のひとつの完成形だと思う。全く気張らず歌えるようになってるのがかっこいい。ビブラートも安定してきたし。
リオのカーニバルを舞台にラテンのリズムに乗せて、愛する人を探して彷徨う。……情熱的!ドラマチック!!
作・編曲は、ラテンフュージョンミュージシャンの松岡直也。有名な人らしいけど知らないんだよね。編曲神だけども。
「キスは命の火よ」。うーん。ステキ。そしてラストの「アモーレ」3コンボ。ここが決まるとカッコよすぎる。うふふふふ。
肩を落とし気味にした膝下丈ワンピースで腰をくねらせて歌う明菜ちゃん。もう明菜様と呼ばせていただきたいぐらいにセクシーでこざいます!!
ちなみにタイトルは「私の愛する……」みたいな意味らしいです。
85年の紅白で歌唱。
この曲でレコード大賞を獲得。当時20歳。ついに中森明菜、頂点に立ちました。


追記。同曲異歌詞の、はじめボツになった「赤い鳥逃げた」は5月に12インチシングルとして発売されました。シングルにはカウントしてないっぽい。こっちも好き。


12. 「SAND BEIGE -砂漠へ-」 1985年6月リリース、オリコン最高位1位、売上枚数46.0万枚。
前作のイメージを引き継いで、なんてゆうの?ウィキ見たら「エキゾチック路線」ってあったけど、大陸的な。まあ「砂漠へ」だしね。
ボーカル力の高さが発揮されてるなあと思います。特にサビ。
「星屑 私を抱きしめていてね アナ アーウィズ アローホ SAND BEIGE」までをブレスなしで歌います。これがやってみるとできない。歌えば歌うほど肺活量鍛えられてたって感じなのかな?
衣装は「ミ・アモーレ」よりも派手にした感じ。髪にバンダナ巻いたりとか、アクセサリーも増えたりとか。そしてメークがアースカラーでヌーディーなのがとてもセクシー。大人っぽくてビビる。
「アナ アーウィズ アローホ」は、アラビア語で「私は行きたい」らしいです。



ちなみにオリコン年間チャート。
82年
30位 少女A
83年
8位 セカンド・ラブ
13位 1/2の神話
17位 禁区
19位 トワイライト -夕暮れ便り-
84年
6位 十戒1984
9位 北ウイング
10位 サザン・ウインド
85年
2位 ミ・アモーレ〔Meu amor e・・・〕
6位 飾りじゃないのよ涙は
7位 SAND BEIGE -砂漠へ-
(20位 赤い鳥逃げた)


85年はもう一枚出してるんだけどね。それは今度。


少女が大人になる過程を見れるのがアイドルの面白いところだなあと、見ながら聴きながら改めて感じました。
しかしデビューして3年でここまでくるんだねえ……



ああ、つかれた……
後半はいつか。