第6回・国民的スーパーアイドル遺伝子。〜Can't Stop!! -LOVING-


デビュー20年おめでとうございます。の意味を込めて、今回はSMAPデビュー曲「Can't Stop!! -LOVING-」について。
ホントはね、「Five True Love」にしたかったんだけど、変えました。なんとなく。


「Can't Stop!! -LOVING-」は91年9月9日リリース、オリコン最高位2位、売上枚数15万枚。

Can't Stop Loving

Can't Stop Loving

……ガチで、ジャニーズのデビューシングルなのに売れなかったんだな、って感じです。


かくいう私もこの曲をちゃんと聴いたのは『Smap Vest』でした。
ジャニのデビュー曲は知名度が高い曲が多いのに、SMAPのデビュー曲は本当に知名度が低い、今でも。友人には「笑顔のゲンキ」がデビュー曲だと思ってる人もいます。そんな程度。
というわけで初めて聴いたときの感想。
「……なにこれ」
すでにネタ化していた「S!M!A!P! SMAP!」の掛け声(振付もすごい)、なぜか挿入されるキラキラ星のメロディ、やたら若くて爽やか過ぎる声。
しかし一生懸命歌う(そして踊る)彼らを見ると、今は涙すら溢れてくるよ。愛おしくて。
よく言われる「アイドル冬の時代」にバリバリアイドルとしてデビューしてしまい、案の定売れず、違う道を模索し始めるのの、SMAPはちゃんと曲をリリースし続けます。
そう、決してアイドルを捨てたわけじゃない。アイドルとして売れるために活路を見出していったのがSMAPなのです。


あ、話超逸れた。
ジャニーズのデビュー曲ということで、アイドル御用達の作家が作ってくれてます。
森浩美作詞、Jimmy Johnson(馬飼野康二)作曲。
題名からしてアイドル臭プンプン。歌詞も「君の王子様は僕さ(キラッ)☆」みたいな相当痒いものです。
アイドルのデビュー曲としては悪くない、けど個性がなかったんだと思う。
光GENJIみたいなインパクトもなく、SMAPってなんだろう、みたいな感じ。
今では異端児的な扱いですが、実は純生アイドルなんだよね、SMAPは。
当時はカメラに向かってスマイル☆だって短パンで浜辺ジャンプだってやってました。
彼らはアイドルに憧れてジャニーズに入って、ジュニア時代からそのレールを歩いています。
時代は光GENJI全盛期だったわけだし、事務所もそのあとを追ってほしかったんでしょう。本人たちもそうだったと思う。
しかし売れない。そこでミッチーを投入(むしろ丸投げ)。新たなアイドル像を作っていくことになります。



だからね、何が言いたいかって、SMAPはアイドルなんですよね。
昭和のアイドル的なキラキラを実は今でも体現しています。
SMAP以降、SMAPを見てアイドルを目指した世代との差は、そのキラキラ感だと思う。
先輩で言うとマッチとかは今でもすごくアイドルだと思っています。昭和のアイドルらしい華やかさがある。
元々は目指していたSMAPにはアイドルのDNDが組み込まれているんじゃないかな、と思います。
SMAPはアイドルにあるまじき行為(バラエティーとかドラマとかいろいろでめちゃくちゃだし発言もひどい)をしてもキラキラしていました。あ、私にはそう見えたってこと。
売れてからは気取っているように見える(ファンじゃないとそう見えるらしい)木村さんもコンサートや歌番組ではサービス旺盛でそのアイドルオーラを隠しきれない。
慎吾なんかは顕著で、今でもアイドルらしくきれいな笑顔を見せて、コンサートの挨拶では「みんなのことが好き!」的な発言をサラッと言ってのける。
SMAPはもうアラフォーで、ちょっと踊ると息切れしちゃったり、ちょっと肌のキメも荒くなってきたし、それなりに年をとりました。
でも私たちファンが心を惹かれるのは何があってもSMAPがアイドルでいてくれるからだと思います。


「アイドルだから」ってゆうのはある種の逃げでもあるのかな、と思った時期もありました。
だって「アイドルだから」って言えばちょっとハードルが下がるから。バラエティもお芝居もそこそこできればいいんでしょ、的な言い訳なような気がして。
でも本当は「アイドルでいること」が彼らの大きなハードルで、ちょっとはみだしながら、時に世間の常識を覆しながら、アイドルであり続けた。
そんな20年だったんだと思う。
だから彼らが冗談半分で「僕たちアイドルだから」と言うのは実は重たい言葉なんだと気付きました。
どこに行ってもアイドルだからとバカにされかねないけど、変に俳優ぶったりアーティストぶったりしない。
世間的には俳優でもアーティストでも通るかもしれないのに、アイドルでいる。
アラフォーでアイドルであること。
ファンは敬意をこめて「おっさんアイドル」と呼びます。
私はSMAPに、今まで挫けずにアイドルでいてくれたことを感謝します。
そしてこれからもずっと、素敵な夢を見させてくれると信じています。



今日はSMAPを精一杯祝福する1日です。西武園に行ってきます。待っててね。おめでとう。