少女の憧れ〜松任谷由実『雨の街を』


ここのところユーミンにハマっています。昔から親が聴いていたから親しみはあったんだけど。
多分「天国のドア」も聴いてたんだけど、一番覚えているのは「THE DANCING SUN」。「RIVER」って曲がこわくてこわくて。「Hello, my friend」と「Good-bye friend」のことも今回分かりました。ベスト聴いてて、『友達でいるから〜』の部分が「Hello, my friend」にはなかったからアレレ?と思ってたんだけど。
「sweet,bitter sweet〜YUMING BALLAD BEST」を10年ぐらい前によく聴いてて、それ以来のユーミンです。「SEASONS COLOURS -春夏撰曲集-」を母親が買ったので借りてから。


で、初期のアルバムを聴いて今まで荒井由実時代と松任谷由実時代の区別が全くついてなかったけどわかるようになりました。混ぜこぜに聴いてたから作風の差に違和感はあったんだけど。


初期の曲は年齢の割りに大人っぽいんだけど歌詞の危うさが10代って感じ。あとアレンジとかめっちゃオシャレ。最初のアルバム「ひこうき雲」。


ひこうき雲

ひこうき雲


ユーミンはブリティッシュロック、演奏していたキャラメル・ママアメリカンロックに傾倒していて結構大変だったっぽいけど出来上がった曲はすげえウェットでイギリス感がすごいのね。日本っぽくなくてオシャレね。好きな曲は「ベルベット・イースター」と「雨の街を」。鬱蒼とした森の中の洋館に住んでる女の子が頭に浮かんできてうっとりする……少女時代の何とも言えない湿気っぽい気持ちを思い出します。ぱっと思い浮かんだのが「テス」ってゆう映画だったけどあれは超絶残酷だからな……ぶ厚い雲と夜露と泥っぽい道。個人的にイギリスへの憧れが強いので(文化的な意味で)ちょっとだけ10代に戻りたくなります。あ、「ヴァージンスーサイズ」がすげえ好きなんだけど、私にとって10代は閉じ込めたい時間なのかもしれない。


「雨の街を」では『誰か』が肩を抱いてくれたら、と言ってるけど、これは『あなた』なのか、そもそも『あなた』なんているのか。少女が女性になるために歩いていく。遠いところへ歩いていくことが成長なのか、何かを捨ててしまうことなのか。ドアの鍵を開けてあなたの家に行くことも、歩いていくことも、ただの少女の憧れなのか?



聴くたびにロマンチックで残酷な気持ちになる曲です。