堂本剛は私たちのものでした(語弊あり)


私がドラマを見るようになったのは1995年、その頃KinKi Kidsもドラマに出始めていたので、つまり私はキンキで育ちました。あとSMAPなんだけど。特に剛くんのドラマはよく見ていました。Wikiってみたけど9割は見てるね連ドラ。SMAPより見てるね。


というわけで今回堂本剛が野島ドラマに出るよ!って聞いてヒャッハーとなったのは言うまでもない。野島伸司堂本剛中山美穂ってどんな15年前だよ!って思ったけど、いろいろあってここでテーマは「愛と死」とか攻めてきた!うあ!!BSプレミアムで始まりました「プラトニック」。


さて、今回堂本剛が演じるのは、脳腫瘍で余命幾ばくもない青年。中山美穂演じる心臓移植が必要な娘を助けたい母親・沙良の前に現れます。僕のハートを差し上げます、と。
ハートって心臓と心を掛けてるのかな。


まず堂本剛のこれまで演じてきたキャラクターで多いのは、
・明るく正義感に溢れ、他人に優しいけど貧乏
・なんか幸せになれない
・どうにも幸せになれない
みたいな?
古いのだと「人間・失格」(TBS、1994)、「若葉のころ」(TBS、1996)あたり、あとは「夢のカリフォルニア」(TBS、2002)も好きだったな。あのどーしよもなく暗雲立ち込めて行き詰まっちゃう感じ。そんな状況・役がすごい似合う。似合うし上手い。演じるのが。不幸が似合うのよね。男版桜井幸子。パブリックイメージでは明るい感じだったけど実はパニック症候群だったりして、彼も辛かったと思うんだけど。だからこそなのかすごい刹那なお芝居がグッときて、最近真面目なドラマ出なくて寂しかったのです。
そしたらこれです。
青年とな。
意外にも野島伸司とタッグを組むのは「人間・失格」以来とのこと。もし「未成年」が彼でできていたら……と想像するけど、あれは3年寝かせたらできてなかっただろうな。
青年には名前が無い。でも本当はある。当たり前だけど。きっと「大場誠」なのだろうと思っている。野島伸司にとって堂本剛は“永遠の大場誠”なのだろう。正義感が強く優しい、まさしくHonesty(誠実)な。
青年だけど、見てる限り病気になるまでは普通の人間だったと思うの。
普通に働いて普通に家族もいて普通に彼女もいた。そして病気になっていろいろあってあんな風に達観した、諦念。
それに比べて沙良はかわいそうな母親である以上にどこか狂っている。母親の狂気だけでなく、人として、女として?
青年は、今までの野島伸司だと女性が演じることが多かった役どころなのかなーと思いました。「私が守ってあげる!」の繭とか。結局は救い出せたのか。「高校教師」の結末はすごく悩む。だって羽村は繭と父親のことを知ってしまった時、繭を無条件では愛せなくなっていたから。
あ、脱線した。
青年は沙良を救い出せるのだろうか、そして青年を誰かが救い出してくれるのだろうか。
もし青年が愛を思い出し、沙良を愛したら、死を恐れてしまうだろう。
沙良が青年を愛してしまったら、青年が死んでしまうことを受け入れられなくなったら?

切ない……


久々シリアス堂本剛ですが、演技力は然ることながら繊細さがすごいなーと思いました。細かな表情の作り方、台詞回し、すごく計算してやっているのがわかるし、それはきっと彼の持って生まれた才能でしょう。でもそれ以上に硝子の少年がそのまま大人になってしまった感がすごくて、いつまでもゆらゆらしてる。いつまでも刹那。まさしく天性のもの。だからかわいそうな役が本当にかわいそうにうつる。
野島伸司の言っていた「情緒的に豊かな子は何やらせてもうまい。どういう子かいまだによくわからないからぴったり。猫感。」とか言われてたけど。まさに。
最近金田一少年見直したけど、あの10代の駆け抜けた刹那感まだ持ち合わせてるんだなこの人……と思った。



まだまだ語りたいんだけど今日のプラトニック始まっちゃうからまたにしよーっと☆