若者のすべて


下書きのまま放置してました。てへ。


あすなろ白書」で知名度を上げた木村拓哉は続いて「若者のすべて」に出演。またも青春群像劇です。
割と今でもですが、生意気で怠そうでアウトローなイメージはこの作品によるところが大きいのではないでしょうか。
個人的にすごく好きなドラマになりました。いろいろな種類の若者がそれぞれ強く生きていく姿がカッコいい。
萩原聖人がすごく良くてビックリしました。儚い雰囲気がキュンとした。

若者のすべて(CX、1994年10月19日〜12月21日、水曜9時)


あらすじ
22歳の原島哲生(萩原聖人)は亡き両親が残した修理工場を営んでいた。妹の妙子(山口紗弥加)は両親を亡くしたショックで心を閉ざしており、工場の経営は上手く行っていない。圭介(武田真治)は町医者の父を継ぐため、4浪中。亮子(深津絵里)は女優をめざし、薫(鈴木杏樹)は街を出て商社に勤めている。ある事件がもとで植物人間になってしまった守(堀内一史)、その原因に関与していた事で皆の前から姿を消した武志(木村拓哉)。工場のある薄暗い街で22歳の夢と傷みが交錯する。


キャスト
原島哲生 - 萩原聖人
上田武志 - 木村拓哉SMAP
青柳圭介 - 武田真治
崎山 薫 - 鈴木杏樹
水沼亮子 - 深津絵里
村松千鶴子 - 遠山景織子:武志の同棲相手
吉田 守 - EBI(堀内一史
山崎慎介 - 大沢たかお
堀 勇一 - 入江雅人:薫の恋人
原島妙子 - 山口紗弥加
吉田尚子 - 川島なお美
市川 勉 - 趙方豪
青柳英俊 - 塚本信夫
沖野里見 - 篠原涼子
崎山節子 - 赤座美代子
尚、9話と最終話でデビュー前(現:V6)の井ノ原快彦が少年役で出演している。


スタッフ
脚本 - 岡田惠和
プロデュース - 亀山千広、杉尾敦弘
演出 - 中江功、木村達昭、臼井裕詞
製作著作 - フジテレビ
主題歌・挿入歌
主題歌Mr.Children - 『Tomorrow never knows
挿入歌Mr.Children - 『星になれたら』
平均視聴率16.2%



まず水曜9時枠が懐かしい。今は亡き。
キャスト、今見ると豪華。当時の青春群像劇はそんなんばっか。
全員演技がいい。うまい下手ではなくて、透明感がある。まっすぐで。やはり脚本がしっかりしてる。参考にしたいわ。
舞台は川崎の工業地帯。ドラマの中では、今よりも東京に対する劣等感みたいのが強かったような感じがします。


Tomorrow never knows』の歌詞のまま、誰かのために生きるとは?が大きなテーマになってます。


哲生、武志、圭介、薫、亮子、守は小学生からの付き合い、恐らく中学も同じ。高校はちょっとわからないけど。
物語の中でいいなあと思うのは、そしてとても大きいのは、それぞれの家庭環境を羨んだり蔑んだりしていないところ。
仲間の中では亮子は町の権力者の娘でお金持ちだし、圭介は医者の息子。
一方武志は両親がいない、守も肉親は姉しかいないし、哲生も数年前両親を亡くして大学進学を諦めている。
でも工場が潰れかけても哲生は亮子に泣きついたりしないし、医大に浪人中の圭介をみんな応援している。
きっと6人は小学生のころのままの関係性なんだと思う。
守が植物状態になってしまった原因は武志と危ない仕事をしたからだけど、それは哲生の工場を潰さないためだった。
両親のいない武志や守にとって親のようにかわいがってくれた哲生の両親の工場はとても大事なものだった。それを分かっているから誰も武志を責めたりしない。
恋愛に関しても同じで、哲生は薫を好きだけど、薫の幸せを祈っている。昔のままの可愛くて賢い薫でいてくれることが哲生にとって大事なことなんだな、と思った。
登場人物がすごく優しくて、それだけに切なくなるエピソードばっかりで、胸が痛くなりました。
正しいことがいいことじゃない、けど正しく生きてくのは難しい。
自分のために生きていくことが誰かのために生きることなんだ、と思いました。


武志は自分のせいで守をあんな目にあわせてしまった、と、一人で働いて守の入院費用を稼いでいました。
仲間たちから姿を消したまま。
哲生はそんな武志を憎んでいたけど、武志と再会、実は自分のためだったと知ります。
死んでいった守の「俺たちずっと仲間だよな」という遺言を胸に、再びいなくなってしまった武志を探します。
セリフにもあるんだけど、武志は自分だけがいろいろあったと思ってるんだよね。いやいろいろあったんだけど。
そんで全部一人で抱え込んでる気でいたんだと思う。
悲劇のヒーローぶって周りを心配させまくり、このあたり若いなあ。
親がいないことやマトモな仕事をしていないことの劣等感でいっぱいで超尖がってるんだけど情に厚い感じ。
多分年上の女性から「守ってあげたい」と思われちゃうようなキャラクターですね。
薫もそこらへんが好きなんでしょうね。
しかし突っ張ってんのに笑うとふにゃっとして可愛いのは今も変わらないよね。こりゃ可愛いよね。キュンとします。


個人的には薫の婚約のエピソードが染みました。
短大卒業して大きな会社に就職、東京に一人暮らしして、会社の先輩と婚約します。
薫はずっと武志が好きだったけど、長女として家族を安心させたかったから。幸せな結婚をして幸せに暮らしたかった。
でも結局婚約は破談。薫の気持ちが武志にあることが相手に分かってしまったから。
会社を辞めた薫は自分で何かを見つけて生きていこうと決意します。
「誰かに幸せにしてもらう」なんて間違ってるんだよね。求めてるばっかじゃダメなんだよね。
ちなみに薫は武志に「恋愛しよっか?」って言うんだけどその感じがすごい好き。


最後、2年前のクリスマスと同じように「サンタクロースが行くからなー!」ってなって刺されるわけですが。
ふたりはどうなったのか。
たぶん死なないと思います。だってまだまだやりたいことがあるもんね。
最終回のエンドロールは、何事もなく焼肉屋に行ってパーティーをしている風景。
OPが過去なら、エンドロールは未来。
どうでもいいけどエンドロールの木村さん、そりゃ武志じゃなくて木村拓哉だよ。と突っ込んでしまいました。


演技が「俺、木村拓哉☆」になりつつあります。「サンキュ(にやり)」とか。笑いました、ごめんなさい。
武志のファッションや哲生とタバコスパスパ吸ってる感じが時代を感じました。いや超かっこいいんだけど。
まっすぐに思いやれる人間になりたい。


イノッチが美味しすぎて嫉妬。